新型コロナウイルスの影響で一気に普及したZoomアプリ。しかし最近、「Zoomアプリ どれが本物?」と疑問を抱くユーザーが急増しています。
というのも、正規のZoomに似せた偽アプリがApp StoreやGoogle Play、さらには検索エンジン経由で数多く出回っているからです。見た目は本物そっくりでも、実際には悪意のあるコードが仕込まれていることもあり、ユーザーの個人情報や企業の機密データが狙われる被害も発生しています。
本記事では、Zoomの偽物と本物の違いを徹底解説し、だれでも簡単に見分けられるチェックポイントを紹介します。また、被害事例や最新のセキュリティ対策、企業や教育機関が安全に導入するための方法まで幅広くカバーしています。
「Zoomアプリ どれが本物か分からない」という不安を解消し、安心してZoomミーティングに参加するために、今こそ正しい知識が求められています。
それでは、偽物が急増する背景とそのリスクについて詳しく見ていきましょう。
Zoomアプリはどれが本物?今、偽物が急増している理由
公式アプリと偽アプリの違いとは
現在、Zoomアプリに酷似した偽アプリがApp StoreやGoogle Playなどのアプリストアに登場しており、見た目では区別がつきにくいものも存在します。
本物のZoomアプリは、Zoom Video Communications, Inc.が開発・提供しており、正規のアプリストアにて公式開発者名が明示されています。一方で、偽アプリは、別の企業や個人名義で登録されており、アプリ名が微妙に異なっていたり、ロゴにズレがあったりします。
たとえば、過去にGoogle Playに出回った偽アプリでは、「Zoom Meeting」や「Zoom Calls」といった一見本物と見分けがつかない名称が使われ、ロゴも本物と非常に似ていました。しかし、実際にインストールすると、アプリ内に広告が表示されたり、怪しい権限を求められるなど、本物とは挙動が大きく異なります。
また、Zoom本体は無料版でも基本的なミーティング機能が制限なく利用できますが、偽アプリでは「無料で使える」と表示しつつ、ミーティング開始時に課金が発生するなど悪質なケースも報告されています。
したがって、アプリをインストールする際は、開発者情報やロゴ、説明文を必ず確認する必要があります。
なぜ偽物が増えているのか?背景を解説
Zoomの人気と依存度の高さが、偽物アプリの増加を招く主な背景となっています。コロナ禍以降、Zoomは世界中の企業・教育機関・個人利用者にとって、欠かせないビデオ会議ツールとなりました。2020年から2023年にかけて、Zoomアプリの利用者数は爆発的に増え、その知名度は「Skype」や「Teams」を凌駕するほどになりました。
その影響で、詐欺グループや悪質な開発者が注目し、アプリ名やロゴを偽装して便乗しようとしているのです。
また、スマートフォンの普及率が高まり、特にAndroid端末はGoogle Play以外の外部サイトからでもアプリがインストールできるため、悪意のあるアプリが流通しやすい環境が整っています。
たとえば、あるユーザーが「zoom android ダウンロード」と検索して最上位に表示された広告リンクをタップした結果、偽のインストールページに誘導され、ウイルス感染したという報告もあります。これは、検索エンジン広告を悪用してユーザーを誘導する典型的な手口です。
したがって、ユーザー自身が正しい情報を把握し、信頼できる方法でZoomアプリを取得する意識が不可欠です。
被害が起きるとどうなる?リスク事例
偽Zoomアプリによって発生する被害は、見過ごせない深刻なものばかりです。最も多いのは個人情報の漏洩です。たとえば、偽アプリに氏名・メールアドレス・電話番号・クレジットカード情報などを入力してしまい、それが第三者に流出するケースが多数報告されています。
また、Zoomはミーティングを通じて多くのビジネス上のやり取りや機密情報が交わされる場でもあるため、偽アプリ経由でログイン情報が盗まれると、社内会議が盗聴される、録音されるといったリスクも発生します。
たとえば、2022年に某企業の従業員が誤って偽アプリを使って社内ミーティングに参加したところ、会議の音声が外部サーバーに転送されていた事例が報告されました。これは、アプリ内部にバックドアが仕込まれていたためで、本人も会社も気づいたときには重要な情報が漏洩していたのです。
そのほかにも、
- 勝手にカメラやマイクが起動される
- 位置情報を取得される
- スマートフォンやPCがウイルスに感染する
- 仮想通貨のマイニングに使われる
など、デバイスそのものが乗っ取られるケースもあります。
これらのリスクを未然に防ぐためには、正規のZoomアプリを使うことが何よりの防御手段です。
本物のZoomアプリを見分ける5つのチェックポイント
公式提供元を必ず確認する方法
Zoomアプリの偽物か本物かを見分けるための最も信頼できる方法は、提供元(開発者)を確認することです。
公式のZoomアプリは「Zoom Video Communications, Inc.」が開発・提供しています。したがって、インストール前に必ずアプリストアで提供元情報をチェックしてください。
たとえば、Google Playの場合、「提供元」という欄に明記されています。App Storeでは、アプリ詳細ページの下部に開発元の記載があります。
もし「Zoom Technologies」や「Video Meeting Co.」などと記載されていたら、それは偽物の可能性があります。また、提供元が個人名義になっている場合も注意が必要です。
ちなみに、Zoom公式サイト(zoom.us)からリンクされているアプリストアのリンクは、すべて正規のものです。迷った場合は、必ず公式サイトからダウンロードするようにしてください。
アプリ名・開発者・ロゴの見分け方
本物のZoomアプリは、「Zoom」「Zoom Cloud Meetings」「Zoom Workplace」など、明確な名称が付けられています。
しかし、偽物の多くは「Zoom Call」「Zoom Live Meeting」「Zoom Chat Room」など、類似する名前を使って誤認させようとします。
また、アイコンも一見似ていますが、よく見るとカメラの形状や背景色、フォントが微妙に違うことが多いです。例えば、本物は青色背景に白いビデオカメラ型アイコンですが、偽物は青が薄かったり、カメラの形が違う場合があります。
たとえば、過去に出回った偽アプリの一部では、ロゴが逆向きだったり、カメラのレンズ部分が二重になっていたという報告があります。
正しいロゴや名称を事前に公式サイトで確認しておくことが、誤って偽物をインストールしない最大の防御になります。
不審なアプリのサインを見抜くコツ
偽Zoomアプリにはいくつかの共通した「怪しいサイン」があります。
以下のような挙動が見られたら要注意です:
- 異常に多くのアクセス権限(カメラ・マイク・ストレージ・連絡先など)を求めてくる
- 起動後すぐに広告が表示される
- アプリの説明文が不自然な日本語や英語
- レビュー欄に「詐欺」や「偽物」といった指摘がある
特にAndroidでは、正規のPlayストア以外からインストールする設定にしていると、こうした偽アプリに簡単に感染する可能性があります。
たとえば、あるユーザーは外部サイトからインストールした「Zoom Meeting Pro」という名前のアプリを使い始めたところ、勝手にSMSが送信されたり、連絡先が盗まれるという被害に遭いました。
このような事態を防ぐには、インストール後も動作の異常にすぐ気づく意識が大切です。
次に、こうした本物のアプリを安全に入手できる場所について紹介します。
安全にダウンロードできる公式サイトとアプリストア一覧
公式ダウンロードページ(PC/Mac)
パソコン版のZoomは、必ずZoom公式サイトからダウンロードしてください。
公式URLは以下の通りです:
https://zoom.us/download
ここではWindows用、macOS用、Linux用といったOS別にZoomアプリが提供されています。
また、インストール手順やシステム要件も明記されているため、初心者でも安心して利用できます。
特に企業でZoomを導入する際には、IT管理者がこの正規ダウンロードページからのみ配布するよう徹底することが重要です。
スマホ版(iPhone/Android)の正規リンク
スマートフォンでZoomアプリを使う場合は、必ず下記の正規リンクからインストールしてください。
iPhone(App Store):
https://apps.apple.com/app/zoom-one-platform-to-connect/id546505307
Android(Google Play):
https://play.google.com/store/apps/details?id=us.zoom.videomeetings
これらはZoom公式サイトからも直接リンクされています。
偽の広告リンクやメールのURLでは絶対にインストールしないようにしましょう。
偽サイトの特徴と見分け方
偽サイトは、URLや見た目を本物そっくりに装っているため、見分けるのが困難な場合があります。
以下のポイントを確認してください:
- URLに「zoom.us」以外のドメインが使われている(例:zoom-update.com)
- SSL(https)が有効でない
- ページ内に広告が多く表示されている
- 誤字脱字や不自然な表現がある
たとえば、ある偽サイトでは「Zoom for Bussines(ビジネス)」と綴りミスがあるまま放置されていました。このような細かな違いを見抜くことが重要です。
不明なサイトでは絶対にダウンロードボタンを押さず、公式URLをブックマークするのが安全です。
デバイス別のZoomアプリインストール手順
パソコン(Windows/Mac)の設定方法
Zoomアプリをパソコンにインストールするには、必ず公式サイトからダウンロードしてください。
公式ダウンロードページ:
https://zoom.us/download
手順は以下の通りです:
- 上記リンクにアクセスし、「Zoom デスクトップ クライアント」をクリック
- インストーラー(.exeまたは.pkgファイル)をダウンロード
- ダブルクリックしてインストールを開始
- インストール後、「Zoom」を起動してログイン
Windowsではインストール時に管理者権限が必要な場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
なお、Macの場合は、インストール後にセキュリティ設定からマイク・カメラのアクセス許可を忘れずに行ってください。
スマートフォン(iOS/Android)の手順
スマートフォンでZoomアプリをインストールするには、次の手順を守ってください。
iPhone(iOS)
- App Storeを開く
- 「Zoom」と検索し、「Zoom – One Platform to Connect」を選択
- 提供元が「Zoom Video Communications, Inc.」であることを確認
- 「入手」→「インストール」をタップ
Android
- Google Playストアを開く
- 「Zoom Cloud Meetings」と検索
- 提供元が「Zoom Video Communications, Inc.」かを確認
- 「インストール」をタップ
インストール後は、アプリを開き、メールアドレスまたはSSO(企業用ログイン)でログインしてください。
インストール後の初期設定とログイン
インストール後、初回起動時にログイン画面が表示されます。
Zoomでは次のログイン方法が用意されています:
- メールアドレスとパスワード
- Googleアカウント
- Facebookアカウント
- SSO(会社や学校のアカウント)
ログイン後、プロフィールやミーティングの設定をカスタマイズすることで、より使いやすくなります。
たとえば、無料版ユーザーでも「待機室」や「パスコード設定」などのセキュリティ機能が利用可能ですので、積極的に設定しておくと安心です。
ここまででインストールは完了です。次は偽物に騙されないためのセキュリティ対策を紹介します。
Zoomアプリの偽物に騙されないためのセキュリティ対策
アカウント乗っ取りを防ぐ二段階認証
Zoomのアカウントを守るためには、二段階認証(2FA)の設定が非常に有効です。
設定方法:
- Zoom公式サイトにログイン
- 「マイアカウント」→「セキュリティ」へ進む
- 「2段階認証を有効にする」をONにする
- 認証アプリ(Google Authenticatorなど)と連携
たとえば、過去にフィッシングメール経由でZoomのIDとパスワードが漏洩した例がありますが、二段階認証が設定されていたおかげで乗っ取りは防がれました。
こうした設定は、無料版のユーザーでも利用可能なので、必ず導入しておきましょう。
最新バージョンへのアップデート管理
Zoomは頻繁にアップデートされており、毎回脆弱性の修正や新機能の追加が行われます。
しかし、偽アプリを使っていると自動アップデートが機能しなかったり、古いバージョンのまま利用を続けてしまう危険性があります。
最新版か確認する方法:
- Zoomアプリの設定画面から「バージョン情報」を確認
- 公式サイトのダウンロードページと比較する
- 自動更新を有効にする
たとえば、2023年に発見されたZoomのセキュリティ脆弱性は、バージョン5.14.5以降で修正されました。古いバージョンを使っていたユーザーはこの期間に攻撃を受けた可能性もあるため、常に最新を保つことが重要です。
不審なメール・リンクを見抜く方法
偽Zoomアプリの多くは、メールやメッセージ内のURLリンクから誘導されます。
たとえば、「Zoomミーティングのお知らせ」として送られてくるメールに、「アプリの更新はこちら」「このリンクをクリックして参加」といった記載がある場合、それが偽装されたリンクである可能性があります。
チェックポイント:
- 送信元のメールアドレスが「@zoom.us」で終わっているか
- リンク先のドメインが正規の「zoom.us」か
- 本文に不自然な表現(日本語の誤りなど)がないか
これらを確認するだけでも、多くのフィッシング詐欺を回避できます。
次に、実際に被害にあった人の体験談を通して、注意点を見ていきましょう。
実際に被害に遭った人の体験談と注意点
偽アプリで情報を抜かれたケース
実際にZoomの偽アプリに騙され、個人情報を抜き取られたという被害報告も後を絶ちません。
たとえば、ある大学生は、「Zoom最新版」と書かれた広告をクリックし、見た目が本物そっくりなアプリをインストールしました。最初は問題なく使えていましたが、数日後にSNSのアカウントが乗っ取られ、メールアドレスや連絡先情報が第三者に流出していたことが判明しました。
調査の結果、この偽アプリはバックグラウンドで端末内の情報を収集し、外部サーバーに送信していたとされています。本人はまったく気づかず、情報が盗まれていたことになります。
不正課金・ウイルス感染の実例
また、偽Zoomアプリを使ったことによる不正課金被害も発生しています。
あるビジネスマンは、Androidの外部アプリ配布サイトからダウンロードしたZoom風アプリをインストール後、数日間で合計5,000円以上のプレミアムSMSが送信され、通信料として請求されてしまいました。
このようなアプリには、ウイルスやスパイウェアが含まれていることもあり、感染後に端末の挙動が遅くなる・アプリが強制終了する・知らないアイコンが追加されるといった兆候が現れます。
不審な動作が見られた場合は、すぐにアプリを削除し、端末をウイルススキャンしましょう。
被害後の対応と復旧手順
万が一、偽Zoomアプリをインストールしてしまった場合、以下の対応を迅速に行いましょう。
- アプリをすぐにアンインストールする
- 端末のセキュリティアプリでウイルススキャンを実行
- Zoomのアカウントパスワードを変更
- クレジットカード情報が入力されていた場合は、カード会社に連絡
- 必要に応じて端末を初期化する
被害拡大を防ぐには、早期の対応が命取りにならない鍵となります。
次に、組織単位でZoomを安全に導入するためのポイントを紹介します。
企業・教育機関で使う場合の安全な導入方法
組織利用でのセキュリティ管理ポイント
企業や学校など、組織単位でZoomを導入する場合は、個人利用よりもセキュリティと一貫性の管理が重要になります。
具体的な管理ポイント:
- 公式Zoomサイトからの一括インストール
- SSO(シングルサインオン)による統合ログイン
- ミーティングIDやパスコードの社内ルール化
- ユーザーごとの利用ログ管理
特に教育機関では、生徒による自由なアプリインストールを制限し、校内のIT部門が配布管理する仕組みが不可欠です。
公式ライセンス契約の確認方法
組織でZoomを使う際は、必ず公式ライセンスを取得して運用するようにしてください。
Zoomにはビジネス向け、教育機関向け、エンタープライズ向けなど複数のライセンスプランがあり、それぞれ機能や制限が異なります。
ライセンス契約の確認は、Zoom公式サイトの「アカウント管理」画面から可能です。
たとえば、無料版では参加人数やミーティング時間に制限がありますが、有料プランでは無制限利用やレポート機能などが解放され、業務効率が向上します。
共有デバイスでの注意点
企業内や教室内で共有されるPCやタブレットにZoomをインストールする場合、
アカウントの自動ログイン設定を避けることが重要です。
他人が誤ってログイン状態で会議に参加したり、情報を誤送信してしまうリスクがあるため、
使用後は必ずログアウトし、アプリの履歴を消去しておきましょう。
次に、Zoom公式の最新動向とアプリ名称の変更についても確認しておきましょう。
Zoom公式の最新動向とアプリ名称の変更点
「Zoom Workplace」との違い
2023年以降、Zoomは単なるビデオ会議ツールから総合的なコラボレーションプラットフォームへと進化を遂げています。
その象徴が「Zoom Workplace」という新しいブランド名です。
Zoom Workplaceは、Zoom Meetingsの他に、Zoom Mail、Zoom Calendar、Zoom Team Chatなどの機能を統合し、ビジネス全体の生産性向上を支援します。
つまり、Zoomアプリは今後「Zoom Meetings」だけでなく、Workplaceの一部として拡張されていく方向にあります。
ブランド統合による名称変更の背景
この名称変更の背景には、「会議ツール=Zoom」という認識を越えて、より多機能なビジネスプラットフォームとしての地位を築く意図があります。
たとえば、Zoom Phone(クラウド電話)、Zoom Rooms(会議室用端末)といったプロダクトも、Zoom Workplaceの傘下に統合されつつあります。
これにより、ユーザーは単一のプラットフォームであらゆる業務を完結できる環境を構築可能です。
今後のアプリ更新スケジュール
Zoomは毎月のようにアップデートを重ねています。
今後もZoom WorkplaceとしてのUI改良、連携機能の拡充、AIアシスト機能の強化などが予定されており、常に最新のバージョンを保つことが重要になります。
変更のタイミングでアプリ名やアイコンが変更される場合もあるため、公式ブログやサポートページでの情報収集を継続することが求められます。
まとめ:本物のZoomアプリを選ぶための最終チェックリスト
安全な入手先をブックマークしておこう
Zoomの偽アプリに騙されない最大の防御策は、正規の入手先をあらかじめブックマークしておくことです。
公式サイト(https://zoom.us)と正規アプリストアのページは常に確認できるようにしておきましょう。
常に最新情報を確認する習慣を持つ
Zoomに限らず、ITツールは常に進化・変化しています。
公式サイトや公式ブログでアップデート情報をこまめにチェックし、常に最新の状態で利用しましょう。
家族や同僚にも注意喚起を広めよう
自分が安全に使えていても、家族や同僚が偽アプリに騙されてしまうことがあります。
この記事で紹介した知識を共有し、職場や家庭でセキュリティ意識を高めることが、安心してZoomを使う第一歩です。

