煮込み料理のレシピにさらっと登場するローリエ。なくても作れますが、入れると香りが整って、肉や野菜の輪郭が少しだけ上品にまとまることがあります。
ただ、いざ切らしていると「何で置き換えるのが正解なのか」で迷いがちです。念のためお伝えしますが、代用品選びは“香りの方向性”を外さないのがコツ。そこで今回は、ローリエ 代用を中心に、雰囲気を崩しにくい代用品と、煮込みで失敗しにくい使い方をまとめます。
ただ、代用品を探す前に“そもそもローリエが何をしているのか”を一度だけ整理しておくと、迷いが減ります。
ローリエの役割を先に押さえると、代用がうまくいく
「ローリエ 代用」で迷うのは、たいてい香りをどう整えたいのかがまだ言語化できていないときです。そこで先に、ローリエが煮込みで何をしているのかを押さえておくと、代用品を選ぶ判断がぐっと楽になります。ローリエは月桂樹の葉を乾燥させた香辛料で、煮込みに入れると香りがじわっと移り、全体の方向性を整える役回りになりやすい存在です。つまり、同じ香りを再現するというより、料理の「まとまり」を作っていると考えるほうが現実的でしょう。
ローリエは「香りの土台づくり」を担当しやすい
ローリエの役割として大きいのが、香りの土台を作ることです。ローリエ単体の香りは主張が強すぎるタイプではなく、煮込みの湯気や油分に溶け込むことで、香りが一枚岩になるように働きます。たとえば、ビーフシチューやトマト煮のように香りの要素が多い料理でも、ローリエが入ると「一つにまとまった感じ」が出ることがあります。
イメージとしては、スープの味を決める塩に少し近いかもしれません。塩そのものを前面に出したいわけではなく、他の素材を支えるために少し置く。ローリエもそれと同じで、ハーブを効かせるというより、全体の香りの輪郭を自然にそろえる方向に寄っていきます。
臭みを「目立ちにくくする」方向に寄ることがある
もう一つ、状況によって効いてくるのが臭みを目立ちにくくする役割です。肉や内臓、魚介など、素材のクセが気になる煮込みでは、ローリエの香りが上にふわっと乗ることで、クセの尖りが丸く感じられることがあります。もちろん、これで臭みが完全に消えると断定はできませんが、煮込みの「匂いの角」を落とす方向に働くことはあるでしょう。
ここで大事なのは、ローリエが効いているのは「香りの上書き」というより、あくまで臭みを目立たせにくい配置を作っている点です。だからこそ代用品選びも、「香りをまとめたいのか」「臭み対策を優先したいのか」で分けて考えると、迷いが減ります。
代用品は「どちらを優先したいか」で変わる
念のためお伝えしますが、ローリエと同じ香りをそのまま置き換えるのは難しいところです。そこで代用品を探すときは、次の二択に落とし込むと判断がしやすくなります。
- 臭み対策を優先したい:肉のクセを丸めたい、脂の匂いが気になる
- やさしい香りで整えたい:煮込み全体をまとめたい、香りの輪郭だけ足したい
たとえば前者なら、少量のハーブで方向性を変える選択が合うかもしれません。一方で後者なら、香りが前に出すぎないものを控えめに入れたほうが、ローリエの「まとめる役割」に近づきやすいです。しつこいようですが、代用品はローリエより香りが強く出やすいケースもあります。ここを理解しておくだけでも、失敗はかなり避けやすくなるはずです。
乾燥ローリエは食べる前提の葉ではないので、取り出す
最後に、運用面での注意点です。乾燥ローリエは硬く、食べる前提の葉ではありません。煮込みの途中か、盛り付け前には取り出すのが基本となります。お手数かもしれませんが、鍋の底に沈みやすい点だけは意識しておくと安心でしょう。取り出し忘れが気になる場合は、だしパックやお茶パックに入れておくと、見失いにくくなります。
この「取り出す前提」という考え方は代用品にもつながります。葉や枝ものを使う場合は、香りが十分移った時点で外せるようにしておくと、味や香りが重くなりにくいです。ローリエの役割を理解した上で、取り回しまで想定しておくと、代用の精度が上がりやすいでしょう。
ここまでを踏まえると、代用品は“同じ香り”を探すより、役割を埋めにいくほうが現実的です。そこで次は、まず押さえておきたい候補を3つに絞ります。
ローリエがないときの代用品。まずはこの3つから
ローリエの代わりを探すときは、いきなり候補を増やすより、まず方向性を崩しにくい3つに絞ったほうが判断が早くなります。ここで言う「崩しにくい」は、ローリエと同じ香りを再現するという意味ではありません。あくまで、煮込み全体の香りをまとめたり、素材のクセを目立ちにくくしたりする役回りを、なるべく安全に代行できるかどうか。そういう観点です。
結論として、ローリエがない日の第一候補はローズマリー/タイム/セロリの葉になります。いずれも使い方を少し間違えると香りが前に出やすいので、最初は控えめに始めるのが無難でしょう。念のためですが、家族の好みも一度思い出しておくと安心です。
代用品1:ローズマリー(臭み対策を優先したいとき)
ローズマリーは、肉の煮込みで「素材のクセが気になるかもしれない」と感じるときに頼りになることがあります。香りの輪郭がはっきりしているぶん、うまくはまると臭みを目立ちにくくする方向に寄せやすいです。反対に、入れすぎるとハーブが勝ちやすいので、分量は控えめからが向きます。
- ローズマリーが向く料理:ビーフシチュー、赤ワイン煮、煮込みハンバーグ
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、小さめの枝を1/3〜1/2本程度
- コツ:長く煮込みすぎると香りが立ちすぎることがあるので、途中で取り出す判断を入れる
たとえばビーフシチューは香りの層が厚いので少量でもなじみやすい一方、煮込み時間が長いほどローズマリーが前に出てきます。そこで、煮込み開始の段階で入れて、途中の味見で「香りは十分かもしれない」と感じたら枝を取り出す運用が安定しやすいです。料理の方向性としては、香りを足すというより肉の存在感を整える目的に寄せるほうが扱いやすいでしょう。
また、蛇足かもしれませんが、淡い煮込み(スープ、ポトフ等)ではローズマリーを無理に入れない選択のほうがきれいな場合があります。香りが強いほど、塩味中心の料理では「浮く」ことがあるためです。ここは好みも出るので、迷うなら入れないという判断も現実的となります。
代用品2:タイム(煮込み全体を引き締めたいとき)
タイムは、ローリエの「まとめる役割」に寄せやすく、香りが強くなりすぎにくいぶん調整もしやすいハーブです。代用品をひとつだけ選ぶなら、タイムは比較的失敗が少ない選択肢になりやすいでしょう。香りが主張しすぎない範囲で、煮込み全体の輪郭を整える方向に寄ってくれます。
- タイムが向く料理:ポトフ、トマト煮、鶏の煮込み、魚介のスープ
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、タイム2〜3枝(乾燥ならほんの少量)
- コツ:控えめに入れて、物足りなければ少しだけ追加する流れが向く
ポトフを想像すると分かりやすいですが、味付けが塩中心で素材の甘みが出るぶん、香りが強すぎると全体がぼやけやすいです。そこでタイムを使うと、強い香りを足すというより香りの輪郭だけを付けられることがあります。鍋に入れた直後は控えめに感じても、少し時間が経つと印象が変わることがあるので、味見の前に足し過ぎないほうが無難でしょう。
また、魚介のスープのように繊細な香りを壊したくない場合でも、タイムは少量なら合わせやすいことがあります。もちろん絶対ではありませんが、「迷ったらタイムを控えめに」という考え方は、実務的には役立つ場面が多いはずです。
代用品3:セロリの葉(手元にあるもので香りを足したいとき)
セロリの葉は、香辛料というより香味野菜の延長として使えるのが利点です。乾燥ハーブがないときでも、冷蔵庫にセロリがあれば実行できるため、「今あるもので何とかしたい」という場面で候補になります。ただし、セロリ特有の香りが苦手な人がいる場合は、量をかなり控えるほうが安心でしょう。
- セロリの葉が向く料理:ミネストローネ、ポトフ、カレーの下ごしらえ
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、セロリの葉1〜2枚から
- コツ:長時間煮込むより、途中で取り出すほうが青さが残りにくい
具体例としてミネストローネでは、トマトや野菜の香りが重なるので、セロリの葉を少量入れると香りの方向が整いやすいことがあります。反対に、入れっぱなしで長時間煮込むと、青さが残ると感じる人もいるかもしれません。そこで、煮込みの序盤に入れて香りを移し、途中で取り出すと、セロリ感だけが強く出るリスクを下げやすいです。
またカレーの場合、スパイスで成立する料理ではありますが、下ごしらえの段階でセロリの葉を入れておくと、香りの土台が作りやすい場合があります。ここでも「多いほど良い」ではなく、まずは1枚から始めるほうが安全でしょう。もし香りが足りないと感じても、後から少し追加できる余地を残しておくと調整がしやすくなります。
3つの中で迷ったときの、短い決め方
最後に、迷いを短くするための簡単な整理です。臭みが気になるならローズマリーを少量、煮込み全体を上品に整えたいならタイム、手元の材料で工夫したいならセロリの葉。基本はこの軸になります。なお、香りを無理に足して濁るなら、入れないほうがすっきりする場合もあります。淡い煮込みほど、足し算より引き算が効く場面があるためです。
この3つを起点にしておけば、「ローリエ 代用」で候補が散らばりすぎず、現場の判断がしやすくなるでしょう。
3つの候補は便利ですが、毎回同じ選び方でいいわけでもありません。念のため、目的別に“どれを選ぶと迷いにくいか”も整理しておきます。
状況別の使い分け早見。ローリエ 代用はここで決める
同じ煮込みでも、狙う香りが違うと正解が変わります。そこで、使い分けの目安をまとめます。
- 肉の臭みが気になる:ローズマリーを少量、またはタイム
- 香りを上品に整えたい:タイムが無難
- 今あるもので何とかしたい:セロリの葉を少量
- 子ども向けで香りを控えたい:無理に代用せず、入れない選択もあり
ローリエの役割は便利ですが、必須ではありません。代用品で無理に香りを足して全体が濁るくらいなら、入れないほうがすっきりする場合もあります。
代用品の方向性が決まったら、次は入れ方です。しつこいようですが、煮込みは“何を入れるか”より“どう入れて、どこで止めるか”で仕上がりが変わります。
煮込みで失敗しにくい入れ方。香りを整える手順
ローリエがない日に代用品を使う場合、いちばん大事なのは「何を入れるか」よりも、どう入れて、どこで止めるかかもしれません。代用品はローリエより香りが前に出やすいことが多く、入れ方が雑だと、煮込みの方向性が少しずつズレてしまうことがあります。そこで失敗しにくい流れとしては、早めに入れる→途中で取り出す判断をする→最後に足さないの3点を軸にすると安定しやすいです。
この手順は、ローズマリーでもタイムでもセロリの葉でも基本は同じです。違いが出るのは香りの強さと出方ですが、順番を守るだけで「強すぎた」「青さが残った」「ハーブが勝った」といった失敗を避けやすくなります。念のためですが、香りは煮込み中の湯気だけでなく、火を止めて少し落ち着いた頃に強く感じることもあります。後半での足し算は慎重にしたほうがよいでしょう。
手順1:煮込みの早い段階で入れる
まず、代用品は煮込みの立ち上がりで入れるのが基本となります。温度が上がるほど香りは立ちやすく、油分にも移りやすいので、早い段階で入れておくと料理全体になじみやすいです。逆に、仕上げ直前に入れると、香りだけが上に乗ってしまい、「浮いた感じ」になりやすいかもしれません。
たとえば、鍋に具材と水分を入れて火にかけ、沸くまでの間に代用品を入れる、という流れです。ここで重要なのは、最初から多めに入れないこと。ローリエはじわっと香りが移りますが、代用品は種類によっては早い段階から香りが前に出やすいので、控えめに始めておくと調整の余地が残ります。
- 入れるタイミングの目安:煮込みを始めて火にかける段階、または沸く直前
- 意識したい点:香りを「足す」のではなく、全体に「なじませる」つもりで入れる
ここは例え話になりますが、香りは照明の明るさに近いところがあります。最初から強い光を当てると調整が難しい一方、弱めの光で全体を照らしてから必要なら少し上げるほうが、結果として見た目が整いやすいです。香りも同じで、序盤に薄く広げるほうが、煮込みのまとまりは作りやすいでしょう。
手順2:途中で一度、取り出す判断をする
次に、煮込みが進んだところで一度取り出す判断を入れます。ローリエは長く煮込むとえぐみのように感じることがあると言われますが、代用品も香りが強いほど、入れっぱなしが重くなりがちです。ここで言う「重い」とは、香りが濃いというより、料理の香りの中心が代用品側に寄ってしまう状態を指します。
そこで、味見のタイミングで「香りは十分かもしれない」と感じたら、いったん取り出すのが安全です。取り出しても香りが完全に消えるわけではなく、煮汁や具材に移った分が残ります。むしろ、必要以上に煮込み続けて香りが濃くなるリスクを避けられるため、初心者ほどこの判断が効いてきます。
- 取り出し判断の目安:香りが一度立ち、湯気に代用品の存在を感じた段階
- 取り出しやすくする工夫:枝もの・葉ものはまとめて入れる、沈みやすい場合は見失わない置き方にする
ケーススタディとして、ビーフシチューでローズマリーを使った場合を想定します。煮込み開始からしばらくは肉の香りが強く、ローズマリーが負けているように感じることがあります。しかし、煮込みが進んで脂が煮汁に溶け、温度が安定してくると、ローズマリーの香りが急に前に出てくることがあります。そこで「まだ弱い気がする」と思って足すよりも、まずは入れた分を途中で取り出す判断に回したほうが、着地がきれいになりやすいです。
セロリの葉も同様で、長時間入れ続けるより途中で取り出すほうが、青さが残りにくい場合があります。つまり代用品は「最後まで入れておく」ではなく、必要な分だけ働かせて止めるという使い方が合いやすいです。
手順3:最後に足さない
最後に、仕上げ段階で香りを足すのは控えるほうが無難です。理由は単純で、香りは煮込みたてより、落ち着いた頃に強く感じることがあるからです。煮込んでいる最中は湯気が強く、香りが抜けているように感じる瞬間があります。その感覚だけで追加すると、火を止めて少し置いた後に「思ったより強い」となりやすいです。
また、最後に足した香りは煮汁になじむ時間が短く、上だけが香る印象になりがちです。ローリエの役割が「じわっと土台を作る」方向にあることを思い出すと、仕上げの足し算がズレやすい理由も納得しやすいでしょう。
- 避けたい行動:味見の直前・直後に「とりあえず」香りを追加する
- どうしても足したい場合:ほんの少量に留め、入れたら短時間で一度止める(入れっぱなしにしない)
恐れ入りますが、ここは「足りなければ足す」の順番を逆にしないほうがよいところです。控えめに始めて、途中で取り出す判断を入れて、最後は足さない。これだけで、ローリエがない日でも煮込みの香りを崩しにくくなります。結果として、代用品の種類を増やすより、手順を整えるほうが成功率が上がる場合が多いでしょう。
とはいえ、手順だけだと自分の鍋に当てはめにくいかもしれません。そこで、よく作る煮込みを例に“選び方と止めどころ”を具体的に見ていきます。
具体例。ローリエがない日の煮込み別アレンジ
ローリエがないときは、代用品を「何でも入れる」より、料理ごとに香りの層と目立ちやすさを見ながら調整したほうが失敗しにくいです。同じ鍋料理でも、ビーフシチューのように香りが厚いものと、ポトフのように塩味中心で香りが立ちやすいものでは、同じ量でも印象が変わりやすいからです。
ここでは、よく作られる3つの煮込みを例に、代用品の選び方と量の目安、そして取り出しの判断までを具体的に整理します。迷ったときは「控えめに始めて、途中で止める」という方向に寄せておくと、着地がきれいになりやすいでしょう。
ビーフシチュー:ローズマリーで臭みを丸める
ビーフシチューは、赤ワイン、デミグラス系のルウ、炒めた玉ねぎなど、香りの層がもともと厚い料理です。そこでローリエがない場合は、ローズマリーを臭み対策の補助として少量入れると、全体がまとまりやすいことがあります。ただしローズマリーは香りが前に出やすいので、入れすぎるとハーブが勝ちやすくなります。
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、ローズマリーの小さめの枝を1/3〜1/2本程度
- 入れるタイミング:煮込みの早い段階(鍋が温まって香りが立ち始める前後)
- 取り出しの判断:香りが十分に感じられたら途中で取り出す
たとえば、煮込みを始めた直後は肉の香りが強く、ローズマリーが弱いように感じることがあります。この時点で追加すると、後半に香りが逆転して「ローズマリーが主役」になりかねません。そこで、最初は目安量の範囲で入れ、途中の味見で「湯気にローズマリーの輪郭が出てきた」と感じたら、枝を取り出すほうが安定します。いったん取り出しても、香りが移った分は煮汁に残りやすいので、結果として過不足が出にくいでしょう。
煮込みハンバーグを同じ要領で考えると分かりやすいです。煮込みハンバーグはシチューほど香りの層が厚くない場合があり、ローズマリーを入れっぱなしにすると香りが目立ちやすくなります。その場合は、煮込み開始で入れて早めに取り出すほうが整いやすいです。つまり同じ肉料理でも、濃い煮込みほど少量がなじみやすい一方で、長時間入れ続けるほど主張が強くなる。そう覚えておくと判断がしやすくなります。
なお、スープ寄りの淡い煮込みに近い仕上げを目指す場合は、無理にローズマリーを入れない選択のほうがきれいなこともあります。香りを足して濁るくらいなら、塩加減や煮込み時間を丁寧にするほうが満足度が上がる場合もあるでしょう。
ポトフ:タイムで香りの輪郭だけ足す
ポトフは、味の芯が塩と野菜の甘みになりやすく、香りを足しすぎると全体がぼやけたり、ハーブが浮いたりしやすい料理です。ローリエがないときに香りを整えたいなら、タイムを使って輪郭だけを足す方向が無難でしょう。タイムは香りが強くなりすぎにくく、調整もしやすいので、代用品をひとつだけ選ぶなら失敗が少ない選択肢になりやすいです。
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、タイムを2〜3枝(乾燥ならほんの少量)
- 入れるタイミング:煮込みの立ち上がり(沸く前後)
- 調整の考え方:物足りなければ少しだけ追加。ただし味見前に足さない
ポトフは、鍋を火にかけてしばらくすると香りが立ち始め、火を止めて少し落ち着いた頃に香りを強く感じることがあります。そこで「煮ている最中に弱い気がする」だけで増やすと、あとで香りが強く感じられる場合があります。タイムは調整しやすいとはいえ、まずは枝数を守って入れ、途中の味見で十分ならそのまま、という流れが向きます。
例え話になりますが、ポトフのハーブは「味を変えるスイッチ」というより「輪郭を整える鉛筆の線」に近いです。線が濃すぎると絵が硬く見えてしまうように、香りが強すぎると素材の甘みが隠れがちになります。だからこそ、タイムは控えめに置いて、必要なら少し足すという順番が合うでしょう。
魚介のスープや鶏の煮込みでも似た考え方で、タイムは全体の香りを引き締める用途に向きます。強い香りを追加するというより、香りの散らばりを整えるイメージで扱うと、ローリエの不在を埋めやすくなります。
カレー:セロリの葉で下ごしらえの香りを作る
カレーはスパイスで成立するため、ローリエがなくても仕上がり自体は大きく崩れにくいです。一方で、玉ねぎや肉の下ごしらえの段階で香りを少し整えておくと、全体の印象がまとまりやすい場合があります。そこで手元にセロリがあるなら、セロリの葉を少量使って香りの土台を作るのが現実的です。
- 目安:ローリエ1枚の代わりに、セロリの葉を1〜2枚から
- 入れるタイミング:序盤(炒め工程の後、煮込みに入る段階)
- 取り出しの判断:長時間入れ続けるより、途中で取り出すほうが青さが残りにくいことがある
具体的には、煮込みを始める段階でセロリの葉を入れ、香りが移ったと感じたら取り出す、という流れが扱いやすいです。セロリの葉は香辛料というより香味野菜なので、入れすぎるとセロリ特有の香りが目立ちやすくなります。念のためですが、家族の中にセロリが苦手な人がいる場合は、量をかなり控えるほうが安心でしょう。
同じカレーでも「さらっとしたスープカレー寄り」か「とろみのある家庭カレー寄り」かで、香りの出方が変わることがあります。さらっとしたタイプは香りが立ちやすく、セロリの存在も見えやすいので、1枚から始めたほうが安全です。とろみがあるタイプは香りが包まれやすい一方、入れっぱなしだと後半で青さを感じることがあるため、やはり途中で取り出す判断が効いてきます。
また、セロリの葉がない場合に無理に他の強いハーブを足すより、カレーは入れない選択のほうが整うこともあります。香りの足し算で濁るくらいなら、炒めの時間や塩加減を丁寧にするほうが満足度が上がる場合があるためです。
3つの具体例に共通する「失敗しにくい考え方」
ここまでの例に共通するのは、代用品はローリエより香りが前に出やすい場面があるため、少量で早めに入れて、途中で止めるという運用が安定する点です。特にローズマリーは「効かせる」より「丸める」、タイムは「足す」より「整える」、セロリの葉は「香辛料」より「香味野菜」という位置づけで考えると、判断がぶれにくくなります。
もし迷った場合は、次の順番で考えると整理しやすいでしょう。
- 料理が濃いか、淡いか(淡いほど香りは目立ちやすい)
- 目的は臭み対策か、上品に整えるか
- 入れっぱなしにしない前提で、取り出しのタイミングを先に決める
このように、料理別の「香りの立ち方」を前提にしておくと、ローリエがない日でも、代用品で方向性を崩しにくくなるはずです。
ここまでで全体像はつかめますが、実際の台所では細かい迷いも出てきます。最後に、よくあるつまずきどころをQ&Aでまとめます。
よくある質問。ローリエ 代用で迷うところ
Q1:代用品は乾燥と生、どちらがよいでしょう
一般に乾燥ハーブは香りが出やすく、生は青さが出やすい傾向があります。煮込みで安定させたいなら、まずは乾燥を少量、もしくは生でも短時間で取り出すのが安心です。
Q2:代用品がないなら、入れないと味が落ちますか
必ずしも落ちません。ローリエは「底上げ」の役割が大きいので、なくてもおいしく作れます。そこで、素材の下処理や塩加減、煮込み時間を丁寧にするほうが、結果として満足度が上がることも多いでしょう。
Q3:ローリエや代用品は、何枚も入れていいですか
香りは足し算より引き算が難しいです。特に代用品は強く出やすいので、最初は控えめにして、足りなければ追加するほうが安全です。なお、葉が硬いものは取り忘れにも注意するとよいでしょう。
まとめ。ローリエがない日は、目的から代用を選ぶ
ローリエ 代用は、ローリエの香りをそのまま再現する発想より、料理で何を整えたいかから逆算すると決めやすいです。
臭みを抑えたいならローズマリーを少量、煮込みの香りをまとめたいならタイム、手元の材料で工夫したいならセロリの葉が現実的でしょう。
ただし、代用品ほど香りが前に出やすいので、少量から始めて途中で取り出す。この流れにしておくと、煮込みの香りがきれいに整いやすいです。

