アルバイトへ応募したあとに「学校の許可証を持ってきてください」と言われると、「学校でもらうの?市役所?」「親の同意書とは別?」と迷いやすいところです。
高校生のアルバイト許可証は、全国共通で役所から発行される書類ではありません。
学校がアルバイトを許可制にしている場合は、学校が用意している申請書や許可願を使うのが基本です。まず生徒手帳や校則を確認し、分からなければ担任や生徒指導の先生へ「アルバイトの申請は必要ですか?」と聞くのが確実です。
一方、バイト先が確認する「年齢を証明する書類」や「保護者の同意書」は、学校のアルバイト許可証とは別のものです。
最初に「誰から、何のために求められている書類なのか」を確認すると、不要な書類を取りに行かずに済みます。
| 書類・確認事項 | 何のため? | 主な確認先 |
|---|---|---|
| アルバイト許可願・許可証 | 学校の校則上の手続き | 担任・生徒指導部など |
| 年齢を証明する書類 | 18歳未満を雇う勤務先の年齢確認 | バイト先 |
| 保護者同意書 | 未成年者の契約や学校・勤務先独自の確認 | 保護者・学校・バイト先 |
| 労働条件通知書 | 時給・勤務時間・仕事内容などの確認 | バイト先から受け取る |
| 学生証 | 在学確認など | 必要かバイト先へ確認 |
- まず確認|高校生のアルバイト許可証は全国共通の書類ではない
- アルバイト許可証はどこでもらう?
- バイト先から「許可証を持ってきて」と言われたら何を確認する?
- 先にバイト先を決める?それとも学校へ申請する?
- 学校の「アルバイト許可証」と年齢証明は別物
- 法律に出てくる「学校長の証明書」は普通のアルバイト許可証ではない
- 保護者の同意書も学校の許可証とは別
- 18歳になった高校生は学校の許可証がいらない?
- 17歳以下の高校生は原則22時以降働けない
- 求人に「高校生OK」と書いてあれば学校の許可はいらない?
- 学校がアルバイト禁止・許可が下りない場合はどうする?
- アルバイト許可証は何日でもらえる?
- 学校に「アルバイト許可証」という制度がない場合
- 勤務先を変えたら許可証は取り直す?
- 許可証だけでなく労働条件も必ず確認する
- 初出勤前に確認したいこと
- まとめ|まず「何の書類を求められているか」を確認する
- よくある質問
まず確認|高校生のアルバイト許可証は全国共通の書類ではない
「高校生がバイトをするなら、全員が学校の許可証を提出しなければならない」と思われることがありますが、全国一律の仕組みではありません。
学校がアルバイトを禁止しているのか、事情によって認めているのか、届出だけでよいのかは、それぞれの学校の校則で決まります。
実際に島根県教育庁も、県立高校について「原則禁止だが例外的に認めている学校」や「許可制として認めている学校」があり、各高校が校則で定めていると説明しています。
学校ごとの違いについては島根県「高校生のアルバイトについて」でも確認できます。
そのため、「友達の学校では必要なかったから自分も不要」とは判断せず、自分の学校のルールを確認してください。
アルバイト許可証はどこでもらう?
学校が許可制の場合は、学校指定の窓口から申請用紙を受け取ります。
多くの場合は担任、生徒指導部、生徒課などが窓口になりますが、学校によって異なります。
最初は次の順番で確認すると迷いにくいです。
- 生徒手帳や学校のWebサイトでアルバイトの規定を見る
- 「許可制」「届出制」などの記載を確認する
- 分からなければ担任へ聞く
- 学校指定の申請書を受け取る
- 保護者や勤務先の記入欄があれば必要事項をそろえる
学校独自の書式がある場合は、市販の用紙や自作の書類ではなく、その書式を使います。
バイト先から「許可証を持ってきて」と言われたら何を確認する?
「許可証」という言葉だけでは、学校の許可書を意味しているのか、年齢確認の書類を意味しているのか分からない場合があります。
そんなときは、バイト先へ
「学校が発行するアルバイト許可証のことでしょうか。それとも年齢確認の書類でしょうか?」
と確認するのが一番早いです。
必要な書類の名前をはっきりさせずに住民票などを取得すると、実際には別の書類が必要だったということもあります。
先にバイト先を決める?それとも学校へ申請する?
ここも学校ごとに違います。
学校の申請書に勤務先名、住所、電話番号、勤務時間などを記入する欄がある場合は、応募先や採用予定の勤務先が決まってから申請する流れになることがあります。
一方で、応募する前に学校の許可を得るよう定めている学校も考えられます。
「面接を受けてからでいいのかな」と迷ったら、応募前に生徒手帳を確認するか、担任へ聞いておくと安心です。
学校の「アルバイト許可証」と年齢証明は別物
18歳未満の人を雇う場合、労働基準法では、使用者に年齢を証明する書類を事業場へ備え付ける義務があります。
これは、学校が生徒にアルバイトを認めるための許可証とは目的が違います。
労働基準法57条では、満18歳未満の人について年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けるよう定めています。
法律の内容は厚生労働省「労働基準法」で確認できます。
ただし、高校生本人が「法律で決まっているからこの書類を役所でもらえばいい」と自己判断する必要はありません。
実際に何を提出すればよいかは、雇用する勤務先へ確認してください。
法律に出てくる「学校長の証明書」は普通のアルバイト許可証ではない
労働基準法を調べると、「学校長の証明書」という言葉が出てくるため、高校のアルバイト許可証と同じものだと思うかもしれません。
しかし、労働基準法57条2項にある学校長の証明書は、通常の高校生アルバイト全員を対象にしたものではありません。
これは、原則として働かせることのできない年齢の児童を、労働基準法56条2項の例外によって使用する場合に必要となる書類です。
一般的な高校生が校則上提出する「アルバイト許可願」とは別制度なので、混同しないようにしてください。
保護者の同意書も学校の許可証とは別
17歳以下の高校生と、すでに18歳になっている高校生では、契約上の扱いが違います。
17歳以下の場合
18歳未満は民法上の未成年者です。
未成年者が契約をする場合は、原則として親など法定代理人の同意が必要になります。
ただし、アルバイトの労働契約については、親が本人の代わりに勤務先と契約することはできません。
厚生労働省も、未成年者を雇用するときは、親権者や後見人ではなく本人と労働契約を締結する必要があると案内しています。
詳しくは厚生労働省「未成年者を雇用する場合の注意点」で確認できます。
18歳以上の場合
2022年4月から民法上の成年年齢は18歳です。
18歳になれば、法律上は親の同意なしに自分で契約を結ぶことができます。
法務省「民法(成年年齢関係)改正Q&A」でも、18歳・19歳は親の同意を得ずに契約できると説明されています。
ただし、18歳になったからといって、学校のアルバイト申請まで自動的に不要になるとは限りません。
学校の許可制度は校則なので、在校生について一律に届出や許可を求めている学校なら、18歳でもそのルールを確認する必要があります。
18歳になった高校生は学校の許可証がいらない?
「18歳=学校の許可不要」とは限りません。
18歳になると民法上は成年となり、18歳未満を対象とした労働基準法上の年少者規制からも外れます。
それでも、「高校在学中のアルバイトは許可制」という校則があれば、年齢にかかわらず学校側の手続きが必要になる場合があります。
17歳から18歳になったタイミングで「もう許可証はいらないだろう」と自己判断するより、学校へ確認するのが確実です。
17歳以下の高校生は原則22時以降働けない
高校生のバイトでよく出てくる「22時まで」というルールも、学校の許可制度とは別です。
労働基準法では、原則として満18歳未満の年少者を午後10時から翌朝5時まで働かせることを禁止しています。
つまり、法律上の基準は「高校生かどうか」ではなく18歳未満かどうかです。
たとえば同じ高校3年生でも、17歳と18歳ではこの規制の対象が異なります。
一方で、学校が「アルバイトは20時まで」など法律より厳しいルールを決めている場合は、その校則も確認する必要があります。
求人に「高校生OK」と書いてあれば学校の許可はいらない?
求人票の「高校生OK」は、その勤務先が高校生からの応募を受け付けているという意味です。
学校側の校則とは別の話です。
バイト先が高校生を募集していても、自分の学校がアルバイトを許可制にしているなら、学校側の手続きを確認してください。
「勤務先がOK」と「学校がOK」は別々に確認すると覚えておくと分かりやすいです。
学校がアルバイト禁止・許可が下りない場合はどうする?
学校が原則禁止としていても、家庭事情や長期休暇中など、一定の条件で認めている場合があります。
最初から「どうすればバレずに働けるか」を考えるより、まず自分の学校にどのような例外や許可条件があるか確認してください。
たとえば、家庭の経済状況、勤務時間、成績、生活状況などを確認したうえで判断する学校もあります。
条件に合う事情があるなら、担任や生徒指導の先生へ相談してみる価値があります。
無許可で働いた場合の扱いも学校ごとに異なるため、「無許可=法律違反」とは限りませんが、校則上の指導対象になる可能性があります。
アルバイト許可証は何日でもらえる?
発行までの日数に全国共通の基準はありません。
その場で申請できる学校もあれば、保護者や勤務先の記入、学校内での確認が必要な場合もあります。
初出勤の日が決まっているなら、申請するときに
「結果はいつごろ分かりますか?」
と確認しておくと安心です。
許可が出る前提で初出勤日を確定してしまうと、学校側の手続きが間に合わないことがあります。
学校に「アルバイト許可証」という制度がない場合
担任へ聞いたところ「学校では許可証を出していない」と言われることもあります。
その場合、バイト先へそのまま伝えてください。
たとえば、
「学校に確認したところ、アルバイト許可証を発行する制度はないそうです。ほかに必要な書類はありますか?」
と伝えれば、勤務先側が本当に必要としている書類を確認できます。
学校が発行していない書類を自分で作る必要はありません。
勤務先を変えたら許可証は取り直す?
これも学校のルール次第です。
アルバイト先の名称や勤務時間を学校へ届け出る制度なら、勤務先が変わったときに再申請や変更届が必要になることがあります。
以前の勤務先で許可を受けていたからといって、新しい勤務先にもそのまま使えるとは限りません。
掛け持ちの場合も同様なので、勤務先を追加する前に学校へ確認してください。
許可証だけでなく労働条件も必ず確認する
学校の許可が取れたら、それで準備がすべて終わるわけではありません。
バイト先から、時給、勤務時間、仕事の内容、休日などの労働条件を確認してください。
厚生労働省は、アルバイトを含む労働者を雇うとき、重要な労働条件を書面などで明示する必要があると案内しています。
厚生労働省「確かめようアルバイトの労働条件」では、働き始める前に条件を書いた書面を受け取り、保存しておくよう呼びかけています。
求人広告に書いてあった内容だけで済ませず、実際に自分がどの条件で働くのかを確認してください。
初出勤前に確認したいこと
| 確認事項 | 確認先 |
|---|---|
| 学校の許可・届出は必要か | 学校 |
| 勤務先へ提出する書類は何か | バイト先 |
| 保護者の同意が必要か | 17歳以下なら特に確認。学校・バイト先の書式も確認 |
| 時給・勤務時間・休日 | 労働条件通知書など |
| 18歳未満なら22時以降の勤務になっていないか | シフト・契約内容 |
学校の許可証を提出することだけに気を取られず、実際に働く条件まで確認してから初出勤を迎えるのが大切です。
まとめ|まず「何の書類を求められているか」を確認する
高校生のアルバイトで「許可証が必要」と言われても、すべて同じ書類を指しているわけではありません。
学校が許可制なら、アルバイト許可願や届出書は学校で確認します。
一方、18歳未満を雇うときの年齢確認は勤務先側の法律上の手続きで、学校の許可証とは別です。
17歳以下であれば保護者の同意が関わる場合があり、18歳になれば民法上は自分で契約できます。ただし、学校の校則は年齢とは別に確認が必要です。
「学校から求められている書類なのか」「バイト先から求められている書類なのか」を最初に確認すれば、必要な手続きをかなり整理しやすくなります。
よくある質問
アルバイト許可証は市役所でもらえますか?
学校のアルバイト許可証であれば、通常は市役所が発行する書類ではありません。
自分の学校が許可制か確認し、担任や生徒指導部など学校指定の窓口へ聞いてください。
学校に「アルバイト許可証はない」と言われました
学校によっては許可証を発行せず、届出制や許可不要としている場合があります。
バイト先へ「学校には許可証の制度がない」と伝え、代わりに何の書類が必要なのか確認してください。
18歳なら親の同意なしでアルバイトできますか?
18歳は民法上の成年なので、法律上は親の同意なしに契約を結ぶことができます。
ただし、在籍している学校のアルバイト申請や、勤務先独自の確認書類まで不要になるとは限りません。
18歳でも学校のアルバイト許可証は必要ですか?
学校の校則によります。
学校が在校生のアルバイトを許可制としている場合は、18歳でも学校へ確認してください。
17歳の高校生は22時まで働けますか?
18歳未満は、労働基準法により原則として午後10時から翌午前5時までの深夜労働が禁止されています。
学校がそれより早い時間までと定めている場合は、学校のルールも確認してください。
許可証は面接前にもらう必要がありますか?
全国共通の決まりはありません。
学校によって、応募前に申請する場合と、勤務先が決まってから申請する場合があります。生徒手帳や担任への確認を優先してください。
バイト先から住民票を求められました。学校の許可証の代わりですか?
学校の許可証とは目的が違います。
18歳未満を雇う勤務先には年齢確認に関する義務があるため、そのための書類である可能性があります。何の目的で必要なのか、提出前に勤務先へ確認してください。

